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Category Archiveモニターレポート

静岡県への質問と回答

3月9日の抗議文の提出にあたり、質問を静岡県に提出し、回答が来ました。ゼロ回答と見ていいと思います。

回答

3月9日付けの申し入れの際に頂いた質問事項について、回答いたします。

1  リニアの工事に伴う自然環境に対する保全措置について、JR東海は、まずはできる限りの回避・低減に取り組むことを表明しています。
  低減措置としては、トンネル湧水を抑制する薬液注入や、トンネル湧水の排水 処理による水質管理等を実施するとともに、あらかじめ想定できる影響を予測し、評価とフィードバックを繰り返し、状況に合わせて適宜追加の対策を講じる「順応的管理」により、自然環境への影響を最小化することとしています。
  また、代償措置としては、リニア工事のみならず、これまでの人間の活動により損なわれた自然環境を含めて、生物多様性の損失を止めて反転させる「ネイチャーポジティブ」の考え方に基づき、南アルプス全体の自然環境保全に取り組むとしています。
  県としましては、県専門部会において議論されている環境保全措置が確実に実施されるよう、JR東海に求めています。

2  JR東海は、上記1の環境保全措置を行うことを表明しています。ネイチャーポジティブの考え方に基づくことで、自然環境が保全されることが期待されます。

3    トンネル掘削前後の各沢の流量変化については、JR東海が国の有識者会議(環境保全)において、予測結果を示しています。
  この予測結果を踏まえて、生物多様性専門部会では、JR東海が、流量減少によって生じる生息場面積の変化を予測し、それに伴う生物への影響について、予測評価しています。
  また、生物多様性専門部会の議論の中で、トンネル掘削に伴い個別の重要種に生じる可能性がある影響について、JR東海が示しています。
  山体そのものへの影響については、国有識者会議において、降水量、河川流量、地下水移動量、流域市町での水利用実態など、大井川流域の現状を整理し、科学的・工学的な見地から明らかになった内容が「大井川流域の水循環の概要図」として示されています。

4  工事の実施に係る大気質の影響については、平成29年4月の知事意見で「環境基準との整合のみならず、厳しい自然環境の中で、現在の生態系や河川環境が形成されていることを踏まえ、現状維持を目標に最大限配慮すること」をJR東海に求めています。

5  工事により生じる影響については、事業者であるJR東海の責任において対応するものと認識しています。

6  県専門部会は、静岡県環境影響評価条例(平成11年静岡県条例第36号)第1条の目的に則り、リニア中央新幹線の工事が環境に及ぼす影響を、専門家の皆様に科学的、工学的な見地から議論していただく場です。
  そのため、専門部会委員の皆様と、県民の皆様との意見交換を行うことは想定しておりません。

7  ヤード整備については、平成30年に、宿舎・事務所工事や用地造成を本体工事に当たらない「準備工事」として着手を認めており、既に工事が進んでいます。
  本年2月に追加で認めた工事は、平成30年に着手を認めた工事と同様に、本体工事とは異なる「準備工事」であり、既に着手している工事と同様であると判断したものです。
  なお、「準備工事」については、県専門部会で対話を行っている本体工事に係る保全措置等に影響するものではありません。

  令和8年3月31日
静岡県くらし・環境部環境局

質問

1 川勝平太前知事は、「リニアについては推進の立場だが、大井川の水と、南アルプスの自然環境の保全は譲れない」として、南アルプスを守るために有識者会議を立ち上げました。しかるに、JR東海は「上流部の水を戻さない」、すなわち、上流部生態系への有効な保全策をもたないまま工事を行なおうとしています。生態系を守るとは具体的にどういうことを考えていますか。

2 上流部の谷の水がリニアトンネルの掘削によって減水することは間違いありません。しかしJR東海が表明した保全策は「重要種の移植」のみです。「重要種」を移植するだけで生態系は現状を維持できると考えていますか。また、「重要種」以外の動植物は死滅しても構わないと考えているますか。

3 JR東海の予測値では、二軒小屋付近でー2.12t、西俣の小西俣出合で0.57t減水するとしています。どの谷がどれだけ減水し、どの種にどんな影響(喪失)が出るのか、また、水が抜けることで、山体そのものにどのような影響が出るのか、具体的に明らかにしてください。

4 JR東海は、二酸化窒素の影響について、その予測値を0.018ppmとし、環境基準は日平均0.06ppmだから問題なしとしています。これは人間社会の環境基準値ですが、南アルプスの生態系の主役は、そこに住む動植物です。静岡市南アルプス環境調査では、二軒小屋付近の二酸化窒素量は、日0.001ppmと清浄そのものでした(2015年値)。この0.001ppmこそ、南アルプス上流部の環境基準値とすべきと考えますが、見解を伺います。

5 谷水が減水し、枯れ、動植物が喪失し、生態系が損なわれた場合、誰がどのように責任をとるのか明らかにしてください。

6 以上の質問に対して、県あるいは有識者会議委員と意見交換したくても、その場がありません。実際に南アルプスの谷を踏査した経験のある私たちの意見を率先して聞きに来るのが、現地情報をもとに専門的見地から見解を述べる有識者のあり方だと思いますが、会議は密室で進められています。これは川勝知事の「南アルプスを守るための有識者会議」の前提を逸脱しています。有識者会議の委員と、県民や南アルプスをよく知る人の意見交換の場を設定する気がありますか。

7 まだ有識者会議が終了していない段階で、「準備工事」と称し、南アルプスの樹木を広範囲に伐採する理由を教えてください。

 

 

南アルプストンネル工事の即時中止を求める決議

昨年3月29日、JR東海は2027年の開業を断念し、2034年以降の開業を表明しました。

各地の工事が実は2027年には到底間に合わなかったことが明らかになっています。

「静岡県が足を引っ張っている」との報道は、開業の見込みが立てられないJRによる責任転嫁キャンペーンに、マスコミが乗っかったのが真相でした。

南アルプストンネル建設現地の長野県大鹿村では昨年、2カ月続けてダンプの転落事故がありました。山梨県ではすったもんだの末に始まった調査名目の先進ボーリングを途中で放棄。岐阜県のトンネル工事ではすでに死者が出ています。大鹿村でも減水が、地下工事による水枯れや気泡の発生も沿線各地で起きています。

静岡県で工事が始まれば、300mの地下水位の低下や河川流量の減少、ひいては大井川上流部生態系の破壊は避けられません。

JRはこれら環境の変化に代替措置を取ると述べていますが、一度失われた自然は元には戻りません。

リニアは国家的事業と言われてきました。しかし南アルプスもまた国立公園であり、自然と人間社会の共生を掲げるユネスコエコパーク(生物圏保存地域)です。

山を愛し親しんできた私たち登山者は、南アルプスの自然と人間社会の架け橋です。できるあてもないリニアのために、受け継いだ大切な冒険のフィールドをなぜ失わなければならないのでしょうか。

私たちは、大井川水系をはじめ、南アルプスの山と谷を破壊に導く南アルプストンネル工事に断固反対し、その前段工事も含め、直ちに中止することを求めます。

 

 

2025年4月20日

「南アルプスからのSOS 南アルプスの未来にリニアはいらない」松本集会参加者一同 

大鹿村大河原一週監視2025.4.9

遠山谷のジオツアーの方がリニア現地を見せてほしいとのことでしたので、村内を案内しました。

久しぶりに来た釜沢三正坊。ここは農地を転用してリニアの残土の仮置き場になっていましたが、転用期限が来て、残土は撤去され、田んぼの枠が切られていました。とはいっても、重金属の出たトンネルでの残土は環境基準値以下とはいえ、何の重金属も含まれていないとは限りません。田んぼに戻るかどうか見守っていく必要があります。

赤石岳がよく見えましたが、小渋川にかかる一番奥の三番目の橋は、残土運搬用の工事車両専用の橋です。

トビガス沢は残土工場に変わっていました。

一番驚いたのは有害残土の実証実験場です。これで安全だと思えますか?

ヤードの中。手前の緑は有害残土。どんどん出て行き場所はありませんよ。

豊丘村のリニア現地

気分を変えに豊丘村の福島てっぺん公園の近くの喫茶店そらくぼに行きました。

それでポスターを貼っていただきましたよ。

ところが、近くの棚田の上部の谷を埋めてリニア残土置き場にされることが判明。一気に気持ちが沈みました。

美しい棚田の奥だというのに、流失したらどうすんだろうと思います。

帰りに天竜川の橋梁の橋脚を見に行きました。どんどん伊那谷破壊が進んでいます。天罰が下ると思います。

作業員がエレベーターで下りてくるところでした。