障子張り替え
ずいぶん障子を張り替えていなかったので、紙が茶色くなっていて、さすがにみっともないので張り替えた。すばらしい。
「良山泊」は場所貸しもしています。この家はやたら障子が多く、一人で8枚張り替えてまだ半分。さすがに疲れてきて午後は出かける。
旧生田東小学校は現在、地域の人が日曜日開放して、食堂をしていたり、体育館が使えるようにしていたのだけど、コロナでしばらく使えなかった。ぼくも一年近く足が遠のいていたのだけど、身体を動かしたいので出向いた。
ここからは南アルプスのピークがかろうじて見える。塩見岳かなあ。
ここには、無料で使えるボードがある。久しぶりに壁を触ったけど、むちゃくちゃ体が重い。自分の体じゃないようだ。リハビリを兼ねて何本か登って無理しないように引き上げた。
この辺りでは戸台の岩場とかがそれなりにクライミングの対象になっている。けどまだ行っていない。もったいない。
小渋川でとりつける石がないか見に行ったけど、花崗岩なのでボルダーとしてはいまいちだった。でもまあ、全然とりついていないわけだから、次は触りにこよう。
去る2月23日、諏訪市で共同親権についての討論会をした。
最近の共同親権の議論では、賛成派が男女平等の観点で話をし、反対派が性役割前提の議論を組み立てるという話になっている。反対派の中には、今まで人権問題に取り組んできた人も少なくないので、対立図式がこれまでの保守/革新と一致せず、自分で考えさせられる。結局、自分の体験談や身近な家庭環境の話から議論するしかないということになる。
逆に言えば、家族の問題を、知り合いのレベルではなく公的な場で話すという経験があまりなかった。
この日は、共同親権訴訟の原告と、子育て改革のための共同親権プロジェクトの発起人、それにシングルマザーの経験のある議員と、顔ぶれは多彩で、なかなかにエキサイティングな議論がなされた。
茅野市の議員の木村かほりさん(右から二人目)は、自分も一人で子どもを育てていたけど、共同親権って言われるまでそれに疑問を感じたことがなかったとご自身の体験談を語っていた。家族の話をみんなでするというのが、共同親権について議論することのいいことではないでしょうかと語っていた。
ぼくより全員上の世代なのだけど、リブやカウンターカルチャー、男女雇用機会均等法でお茶くみさられる女性の総合職の登場、女性ばかりのPTAへの違和感など、それぞれ世代に応じた体験をしていて、共同親権の議論でジェンダーを話題にすると、自分の生育家庭のことも含めて、こんなに議論が盛り上がるというのは、おもしろい経験だった。
ところで、現在、共同親権の民法改正の陳情は大鹿村以外に、松川町、諏訪市、原村、茅野市で提出している。この運動は国立市でぼくたちが2008年に陳情を提出したことから市民運動としての歴史が始まっている。このテーマでは実に、12年ぶりに昨年12月に陳情を出したことになる。
12月の陳情は継続になったので、再度議論してもらうべく、郵便で資料を送ったり電話をしたりしてみた。
大鹿村では年明けに村長選と村議補選があって、それぞれ無投票で新人が当選している。ちなみに、新聞社三者から電話があって村長選には出ないのかと聞かれている。秋口にイベントをするとこちらにその気がなくてもうわさになる。選挙あるあるだった。
議員には大倉寛さんという方が無投票で当選している。面識はない。電話してみた。
宗像:12月議会で共同親権の陳情を出したものです。陳情は継続になりましたが、その間に議員になった大倉さんには説明がいきわたっていなかったので、直接伺って趣旨を説明したいのですが。
大倉:しません。
宗像:理由は何でしょうか。
大倉:めんどくさいから。
ぼくは、この方の部下ではないし、面識もなく、初めて話したのだけど、こういう対応はされたことがなかったので、ちょっと驚いた。
政治家とは国会議員も首長も地方議員も何百人となく話してきた。選挙や評判を気にする人たちなので、言葉遣いには気を付ける方が多かった記憶はある。ただ最近は安部首相を見習う人も多いし、森みたいに失言を繰り返しても役職を歴任してきた人もいる。そう考えると、ちょっとないなーと思うけど、最近の流行なのかもしれない。それともここが大鹿村だからなのか?
宗像:議員の仕事は市民の話を聞くことだと思うのですが。
大倉:あなたの意見は、欧米のように共同親権になればあなたの問題が解決するということでしょう。
宗像:解決するというか、日本が国際社会から批判されているということだと思いますよ。
大倉:欧米でも問題は解決していない。
宗像:どこに原則を置くかということだと思うのですが。それも含めて説明に上がるということなのですが。
大蔵:そういう一方的な説明を聞くのはめんどうくさい。
宗像:お話をお聞きしたくないということであればわかりました。
公人なので、意味がわからなければ理由を問うのは、こちらとしてはしかたないかなーと思う。「一方的」というのは、市民に職責を問われたことなのかもしれないけど、ぼくが思ってもいないことを勝手に想像していたので、自分の世界が脅かされると思ったのかもしれない。「エスパーなんですか」と聞こうとしたけどやめておいた。
この場合、言い負かしたり、疑問に答えたり、さらに不明点を問うても多分怒るだけだろう。ただまあ、子どもと引き離されてつらい思いをして、これまでも何度もばかにされてきたので、慣れてはいても悲しい気持ちにはなる。親を慕う子どもの心情を考えれば寂しいなとも思う。それは当事者としてだけど、彼の給料の一部が自分の税金で賄っていると思うと、有権者としてはみじめさが募る。
12月に議員の間で説明の機会を設けてくれたときは、はじめて聞いた話という反応が多かったのだけど、子どもの視点からの文章がないという意見があったので、その方にも電話して会って説明したいという。
今回の陳情は国に意見書を出してほしいというもので、意見書案も議会事務局に言われて、ほぼ陳情文と同じものをつけて出している。冒頭には、「毎日400人の子どもたちが、片親と生き別れる」と書いていて、子どもの問題だと思うのだけど、ある議員はあなたの問題と言い、ある議員は子どもの視点がないという。会って話せば誤解も解けると思うけど、そうしたくはないのだろう。
東京で同じく国に意見書を出してくれという陳情を出したときは、意見書案までつけることはなかった。というのも意見書は建前上議会が出すものだから、そもそも意見書案の文言がよくないから不採択にするというのは、原理的にできないからだ。陳情が採択された後に、意見書の案文をまかされた議員に呼び出されていっしょに作ったことはある。
「だったら議員の間で文言を修正したらどうでしょうか」とは言っておいた。
この方は「子どもの視点があれば採択します」と言っていた。とはいっても、どのような文章が「子どもの視点」を含んだものなのかは一言も説明しない。多分、子どもの視点で書けば「親の気持ちを子どもで代弁して」とか言われそう。いろいろ想像しても、エスパーじゃないし、この方と親しくもないのでわからない。会って話せばわかるかもしれないけど会おうとしない。困惑する。
会わない理由は、多数決だし一人で会っても、といういよいよ困惑する反応だった。日本語に翻訳するとどうしても「自分一人では決められない」になる。
「そうはいっても、ぼくがあなたの疑問に答えるためにみんなを集めるんでしょうか」
と言ったら、明日の予算の説明会で話題にすると言っていた。
後で友人にこのことを言ったら、県内の別の自治体で同じ経験をしたようだ。県内の自治体はあらかじめ意見書案を出させることが多いらしい。それで、その文言を理由に不採択にする、という議員もいるという。
陳情の文言を理由に不採択にするのは、東京でもいる。だけど、意見書の案文を理由に不採択にするのは、先にも言ったようにちょっと筋道が立たない気がする。気に入らなければ自分で変えることができるからだ。
「私も変だと思ったけど、結局文章を考えたりとかできないということだと思うよ」
と友人が感想を言っていて、愕然としながらそうかもねと思った。大鹿の議員はそんなことはないと思ういたいけど。
同趣旨の内容に約500人が賛同してくれている。
「単独親権から共同親権へ」 民法改正を求める陳情
2020年11月20日
大鹿村議会議長 伊東康明 様
宗像 充
毎日400人の子どもたちが、片親と生き別れるという非人道的な問題を、今日も単独親権制度が作り出しています。子どもたちは日々成長しており、当事者は一日たりとも待つことが出来ません。
約35年前の男女雇用機会均等法から続く女性活躍推進の流れの中で、女性も男性も社会に出て働くことが求められています。また、近年の働き方改革の流れでは、男性も女性も家庭で子育て・家事をすることを求められるようになっています。
しかしながら、日本は現代においても「男性は仕事、女性は家庭」から抜け出せておらず、先進国では異例の男女格差が大きい国です。
この根本原因は、家庭内の性別役割分担を決める、民法819条の「単独親権制度」を残存させているからで、男女平等を図る各種政策と矛盾しています。
さらに「単独親権制度」の弊害は大きく、2020年7月にEU議会にて決議を受けた日本国内の実子誘拐(子の連れ去り)・親子分断や、母子家庭の貧困、養育費の目的外流用ビジネスなど、数々の社会問題に繋がっているのが現状です。
今こそ、大鹿村から男女平等に子育てできる社会を実現すべく、発信してください。
陳情項目 単独親権制度を廃止する民法改正を求める意見書を、大鹿村議会から国に提出してください。
2月20日に諏訪でスライド上映会をした件が記事になりました。この記事を見て、松川町のダンプルートの沿道の人が手紙を送ってきて、昨日会ってきました。
工事の分散とともにだんだんに、反対が伊那谷全体に広がってきています。
依光隆明
リニア中央新幹線の現状を学ぶ勉強会が長野県諏訪市で開かれた。東京から名古屋まで、ルートを自転車と徒歩で踏破した大鹿村在住のライター、宗像充さんがスライドを使って説明した。
宗像さんは、登山関係の執筆をしていた2016年に東京から大鹿村に移住した。同村をリニアが縦断することもあって取材に深くかかわり、昨年3月には15日間かけて東京―名古屋間の予定ルートを踏破した。
勉強会は「リニアを考える登山者の会」が主催。宗像さんはまず残土置き場の未定問題に触れたあと、工事の状況を説明。多くの関連工事が遅れ気味だと指摘し、「JR東海は静岡県知事のために2027年開業が不可能になったような説明をしているが、そもそも27年に間に合うような計画になっていない」と断じた。「難工事なのに、計画はずさん。踏破するまで分からなかったが、歩いてみると『これはできないな』と感じる」と述べた。
静岡県からの参加者も含め、登山関係者ら12人が参加。「南アルプスの貴重な環境を壊す前に計画を見直してほしい」などの声が出た。(依光隆明)