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月別アーカイブ8月 2018

辻村千尋さん(日本自然保護協会)学習会

8月29日(水)、午後2時から大河原交流センターで、日本自然保護協会の辻村さんを呼んで学習会をした。内容は、中部電力が建設を予定している送電鉄塔と送電線(15、3キロの送電線と鉄塔42基)について。中部電力がこの間自主アセスを実施して、9月5日までの期間で意見募集をしているので急きょ実施した。

というのは、中部電力は、自主アセスの報告書の閲覧を、飯田の中部電力と大鹿村役場2カ所のみで実施し、コピーも写真撮影もさせないというものだったので、不信に思ったのだ。中部電力の理由付は、「企業秘密があるから」というもの。

実際に午前中辻村さんに厚さ5センチほどのレポートを閲覧してもらって、「企業秘密ありました」って聞くと、「ないですよ。どこがそれに当たるのか聞いてみたらどうでしょう」とのことだった。

やっぱりウソか。知らないと思うと平気でうそをつく。

辻村さんにはいろいろと指摘していただいたのだけれど、以下のようなことは共通する問題点として指摘できることではないかと解説してもらった。

1 複合的な影響の欠如

今回は15、3キロの送電網の建設にかかわる影響についてのみ評価されているが、実際は並行して進むリニアの他の工事との複合的な影響を評価しないと、実際の自然や人間生活への影響は出てこない。

2 手続きの問題

公開の仕方も問題だが、実際に疑問がでた際、中部電力がそれについて説明する場を設けて疑問に直接答えないと疑問は払しょくされない。

3 建設後の影響も

鉄塔のメンテナンスなどで、ヘリを利用してそのことが猛禽など希少種の営巣に影響を与えることがある。その点の評価がなされていない。

4 移植計画の不在

植物や陸生貝類などでは、移植による保全がなされているが、その移植先の調査も含めた移植計画がなければ単に移動させるだけで保全にはならない。

5 景観への影響は見た目にとどまらない

鉄塔と送電線のフォトモンタージュだけでは、一日、一年の暮らしへの影響は評価できない。いまある景観はその土地の成り立ちや歴史の結果なのだから、それにどういった影響が与えるのかを考慮しないとならない。

 

その他クマタカの音への順化の方法は一般的な保全方法ではない、
ミソゴイは国際的にも希少種、営巣地をつかんんで何年間も調べないと、
鉄塔の建設地が地滑り地帯で危険
といったいろんな細かい点が指摘されましたが、共通する部分について各自念頭に置いて声を届けていただきながら、関心に応じて意見を届けて下さい。
飯田の中部電力でもできます。

引田からみた建設予定地の大西山

中部電力リニア送電アセス学習会

中部電力は豊岡村から大西山を越えて大鹿村上蔵地区への送電計画の環境アセスを独自に行い、現在、9月5日まで、大鹿村役場のカウンターと中部電力飯田営業所で報告書の閲覧を実施しています。青木川、小渋川を送電線が横切り、大河原から赤石岳を望む景観を東電鉄塔で破壊する計画で、住民の多くが説明会で反対を表明しましたが、現在に至っても、中部電力は計画を変更しません。

さて、今回の「自主アセス」は、「手法に企業秘密があるため」という理由でホームページで公開しないほか、閲覧はコピーも写真撮影も許さない、というのが中部電力の姿勢です。

ちょっと考えてみて下さい。

汎用性のない手法が、環境への影響を推し量る一般的なアセスの手法として通用するのでしょうか。企業秘密を役場のカウンターで不特定多数に閲覧させる行為は、情報漏えい行為ではないのでしょうか。そして、こういった中部電力の手法は、私たちの知る権利を侵害していないでしょうか。

当日は、アセスの専門家、日本自然保護協会の辻村さんを招いて、今回のアセスの問題点についての学習会を行います。わけがわからないうちにことが進んで後悔しないよう、急な設定ですが、お誘いあわせの上、来てください。

日時 8月29日(水)14:00~15:20
場所 大鹿村大河原交流センター大広間
内容 中部電力自主アセスの問題点
講師 辻村千尋(日本自然保護協会保護室長、リニア新幹線計画に伴う
自然破壊についてアセス段階から取り組む)
*参加費無料、予約不要

主催 南アルプスから学ぶ会
TEL 0265-39-2067 080-6652-8301(宗像)
メール munakatami@gmail.com

なお、午前中は辻村さんと役場でアセス報告書を閲覧します。

転がる石には 苔生さずその7 難波 広

6月30日 横田基地デモ

「オスプレイは沖縄にも横田にもいらない実行委員会」主催で横田現地集会とデモが行われました。

今春、米軍は突然オスプレイの横田配備を2018年夏に行うと発表しました。それまで横田配備の話はあったのですが理由不明のまま早くとも19年までは延期ということだったんですが…。ここにきての当然の前倒し配備とのこと。ということで、世間はにわかにオスプレイ配備がプチ流行になっております。

オスプレイの配備でよく言われるのが墜落事故の多い「危険な輸送機」って話です。確かに、オスプレイって戦闘機としてはどうもダメみたいです。だいたい、こうした最新の兵器って開発されると数年後に他の国でマネた機種ができるのが常識らしいんですね。音速飛行が可能ならその亜種ができて他の国も音速の飛行機もったり、レーダーに映らないヤツだったら、ほかの国も同じような飛行機を開発する、というのが常識的パターンらしい。

ところが、オスプレイの亜種ってどの国も開発してないでしょ。要するに、兵器として使い物にならない、って評価が一般的だということらしいっす。決定的には、あの戦争国家であるイスラエルがオスプレイの購入を拒否したという話。歴戦の戦争国家からすれば使えない兵器はいらない、ということしょうか。

そんでオスプレイは危険だという話の前に抑えておきたいのが、オスプレイ横田配備に伴って米空軍特殊部隊が横田に配備されるということ。この特殊部隊の任務ってのが「暗殺」らしいってんで、当初は対共和国(朝鮮民主主義人民共和国)への攻撃拠点化ということでしたが、どうもその筋の方(左翼系で妙に自衛隊や米軍の兵器や組織再編に詳しい方)に聞くと、もしかしたら自衛隊に特殊部隊展開を教育するために空軍特殊部隊が配備されるのでは?との話をしていました。

そんなこんなで、酷暑のなかエッチラオッチラ横田デモを貫徹。

7月8日 樫の木祭り

縁は奇なものオツなもの。この日、三里塚で「樫の木祭り」と題する取り組みがありました。

空港周辺には市東さんという農民の家屋と耕作地があります。この土地を巡って各種裁判が行われています。この間、空港会社はおよそ信じられない手法で市東さんの耕作地を対象にした裁判を起こしてきました。そもそも対象となる土地の所番地すらも間違えるという杜撰な裁判でした。

今は、請求異議裁判といって県には市東さんの土地を強制的に取り上げる権利はない、という裁判が行われています。要するに「強制執行」という名の警察権力―機動隊暴力を前面に出した土地取り上げはできない、というのを法的に証明する裁判です。7月17日に千葉地裁で市東さん本人の最終陳述が行われ、裁判はまもなく結審をむかえつつあります。

そんな状況で、「樫の木祭り」と題して市東さんの作業場での「祭り」がありました。

肉じゃがや焼きそばなどが供され、関西からはパギやんというシンガーソングライターの演奏があり、それなりに楽しめた一日でした。

宴もたけなわなころ、見慣れた小冊子を持ちながら「ナンバさん…」という用語をつぶやく子連れの親子が私の視界に入りました。「私が難波ですが?」とすでに酩酊状態のまま話を伺いますと、「あっ、初めまして。僕は『越路』の読者で難波さんの『日記』を読んできました」とのこと。それはそれは、ということでしばし談笑。そんで、たまたま私に発言の機会が与えられたので「越路」というミニコミ誌の読者が来ていることを報告しました。すると、発言を終えてビールを傾けていた私に一人の婦人が近寄ってきて、「あのー、私も『越路』を読んでいるんですけど…」とのこと。相模原で市議をやられている方でした。ひぇー、二度びっくり!

ということで三里塚で「越路」読者交流会が行われました。「越路」、侮り難し!

「越路」7号発行

今号のコンテンツは以下です(今号の表紙画モデル・カシワマイマイ 通称名:鬼ケ城)

・「トラストの森カフェ」建部 由美子(『リニア新幹線を考える相模原連絡会』事務局)
・「学習会報告『河川敷・谷埋め盛り土』は安全か?」 前島 久美
・「課題への詩的音楽的アプローチは続く」 佐々木 昌(うたごえサークルやまなみ)
・「リニアを斬る侍たちに学ぶ」 金丸 宗(フリーカメラマン)
・「転がる石には苔生さず7」 難波 広
・「公開処刑があった日」 村上 らっぱ
・「伊那谷スケッチ 第37号 地元探訪 小河内沢 布引きの滝を行く」 前島 久美
・「たらたらと読み切り147『カワウソ特捜前線』」 宗像 充
・「とおせんぼ」(リニア情報)宗像 充/前島 久美

「大鹿の十年先を変える会」の理念は「自分たちのことは自分たちが決める/山と里、街と村、人と自然のいい関係/リニア新幹線失敗の早期実現」です。

「越路」は「大鹿の十年先を変える会」への完全カンパ・投げ銭方式で運営されます。ご協力をお願い致します。

編集・出版:大鹿の十年先を変える会
発行責任者:宗像充(長野県大鹿村大河原2208)
電話:0265-39-2067
mail:munakatami@gmail.com